店長会議をやっているのに、会議が終わったあと現場が何も変わらない。
報告はたくさん出る。相談も出る。困っていることも共有される。けれど、翌週になると同じ相談がまた出てくる。
飲食店の店長会議では、こうした「相談会化」が起きやすいです。
僕自身、複数店舗の運営支援や店長ミーティングに関わるなかで、会議が相談だけで終わる状態を何度も経験してきました。そこで現在は、会議の最後に必ず「誰が・何を・いつまでに・何をもって成功とするか」まで決めるようにしています。
この記事では、店長会議を相談会で終わらせず、実行につなげるために使っている6つの項目と、30分で進める方法を紹介します。
店長が言われないと動かない状態に悩んでいる方は、先に
飲食店の店長が育たない原因|言われないと動かないを変える仕組み
も参考にしてください。
店長会議が「相談会」になってしまう原因
会議がうまくいかない原因は、店長のやる気だけではありません。
会議の進め方そのものに問題があるケースが多いです。
- 前回決めたことを確認しない
- できなかった理由を曖昧にする
- 「気をつけます」「頑張ります」で終わる
- 担当者が決まっていない
- 期限がない
- 何をもって完了なのか決まっていない
これでは、会議中は話した気になっても、現場に戻った瞬間に日常業務へ流されます。
重要なのは、会議を「相談する場所」ではなく「次の行動を決める場所」に変えることです。
店長会議で必ず確認する6項目
僕が現在使っている基本の型は、次の6項目です。
1.前回の決定事項を確認する
まず最初に、新しい相談へ進む前に前回のタスクを確認します。
「前回、何をやると決めたか」「実際にできたか」を一つずつ確認します。
ここを飛ばすと、毎回新しい話題だけが増え、未完了の仕事が積み上がります。
2.未達なら理由を確認する
できていない場合は、責めるのではなく理由を分解します。
- 時間がなかったのか
- やり方が分からなかったのか
- 他のスタッフへ伝わっていなかったのか
- そもそも現場で実行しづらい内容だったのか
「できませんでした」で終わらせず、止まった原因が分かれば次の対策を決められます。
3.次にやる行動を具体化する
「接客を改善する」「教育を徹底する」といった言葉は、そのままでは行動になりません。
たとえば接客改善なら、
- 味玉券を渡すときにGoogle口コミを案内する
- 退店時は入口まで見送る
- 新人へ入店案内のトークを3回ロープレする
というように、実際の現場で確認できる行動まで落とします。
4.担当者を決める
「みんなでやる」は、実際には誰もやらない状態になりがちです。
店長なのか、社員なのか、SVなのか。必ず責任者を一人決めます。
複数人で進める仕事でも、最終的に進捗を持つ担当者は一人にしておくと止まりにくくなります。
5.期限を決める
期限のないタスクは後回しになります。
「今月中」より、「9月18日まで」のように日付まで決める方が実行率は上がります。
短い会議でも、期限まで決めれば翌週の確認が非常に楽になります。
6.成功基準を決める
ここが特に重要です。
「できた」「できていない」を感覚で判断すると、店長と上司の認識がズレます。
たとえば新人教育なら、
- 一人で開店準備を完了できる
- 接客トークを見ずに言える
- チェック表10項目中10項目できる
というように、確認できる状態を成功基準にします。
実際の会議では「相談」より「確認」に時間を使う
以前は、店長から出てきた相談に対してその場で答え続け、気づくと会議の大半が相談時間になっていました。
これだと店長は「困ったら上司に聞けばいい」という状態になり、自分で考える力が育ちにくくなります。
そこで現在は、相談を受けたときもすぐ答えを出さず、
- あなたはどうしたい?
- 何が原因だと思う?
- まず何を試す?
と聞き返し、店長自身に案を出してもらうようにしています。
会議の役割は「全部答えてあげること」ではなく、店長が自分で判断できる状態を作ることです。
衛生改善のタスクでも6項目にすると動きやすい
この型は、売上改善だけでなく衛生管理にも使えます。
たとえば衛生監査で冷蔵庫周辺の汚れが見つかった場合、
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 前回確認 | 冷蔵庫下の清掃を実施する |
| 未達理由 | 清掃担当が決まっていなかった |
| 次の行動 | 閉店作業に冷蔵庫下清掃を追加 |
| 担当者 | 店長 |
| 期限 | 次回営業終了まで |
| 成功基準 | 清掃後の写真を共有し、チェック表へ追加 |
ここまで決めておけば、次回の会議では「どうなりましたか?」と確認するだけです。
店長会議は30分でも十分できる
会議時間を長くすれば成果が出るわけではありません。
少人数の店長ミーティングなら、30分でも十分です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0〜10分 | 前回タスクの確認 |
| 10〜20分 | 未達理由と課題の整理 |
| 20〜27分 | 次の行動・担当・期限・成功基準を決定 |
| 27〜30分 | 決定事項を全員で読み合わせ |
ポイントは、報告のための報告を減らすことです。
売上や数値は事前に共有し、会議では「なぜそうなったか」「次にどうするか」に時間を使います。
AIは議事録とタスク整理に使う
店長会議でAIを使うと効果が大きいのは、会議そのものをAIに任せることではなく、会議後の整理を短くすることです。
たとえば会議中のメモをChatGPTへ貼り付けて、次のように依頼できます。
以下の店長ミーティングのメモを整理してください。 ・前回の決定事項 ・実行できたこと ・未達の理由 ・次にやること ・担当者 ・期限 ・成功基準 最後に、次回の会議で確認するチェックリストも作ってください。 【会議メモ】 ここにメモを貼る
これだけでも、会議後に議事録を一から作る時間をかなり減らせます。
飲食店でのAI活用全体については、
でも紹介しています。
AIに任せてはいけない部分
AIは議事録の整理やタスク表の作成は得意ですが、最終判断まで任せるのはおすすめしません。
- その店の人員で本当に実行可能か
- 店長に任せるべきか、SVが支援すべきか
- 期限が現実的か
- 成功基準が厳しすぎないか
こうした判断は、現場を知っている人が決める必要があります。
AIが整理し、人が決める。
この分担が、飲食店の会議では一番使いやすいと感じています。
店長会議チェックリスト
- 前回決めたことを最初に確認したか
- 未達の場合、原因まで確認したか
- 次の行動が具体的になっているか
- 担当者が一人決まっているか
- 期限が日付で決まっているか
- 成功基準が誰でも判断できる状態か
この6項目が決まっていれば、会議はかなりシンプルになります。
まとめ
店長会議が相談会になっている場合、店長の能力だけを問題にするのではなく、まず会議の型を見直した方が改善しやすいです。
僕が使っている基本は、
- 前回確認
- 未達理由
- 次の行動
- 担当者
- 期限
- 成功基準
の6項目です。
これを毎回繰り返すと、「相談する会議」から「実行を確認する会議」へ少しずつ変わっていきます。
店長を自走させたい場合は、会議で答えを与え続けるのではなく、本人に考えてもらい、決めたことを次回確認する。
この仕組みを作るところから始めてみてください。
次回予告:次回は「飲食店売上アップ事例|25席で日商40万円」をテーマに、売上を客数・客単価・回転・予約・人員配置に分けて、再現できる部分とできない部分を整理します。