「売上を上げたい」と考えたとき、多くの店で最初に出てくるのが「もっと集客しよう」「SNSを頑張ろう」という話です。
もちろん集客は大事です。
ただ、実際の店舗運営では、売上は集客だけで決まりません。
僕が関わっている25席の飲食店では、土曜日に日商40万円を超えた日がありました。
この数字だけを見ると「人気店だからできた」と思われるかもしれません。
でも、売上を分解してみると、見るべきポイントは意外とシンプルです。
売上は、客数・客単価・回転・予約・人員配置の組み合わせで決まります。
この記事では、25席で日商40万円を超えた日の数字をもとに、再現できる部分と、簡単には真似できない部分を分けて解説します。
25席で日商40万円は、どれくらいの数字なのか
まず、40万円という売上を客単価から逆算します。
客単価が5,000円なら、40万円を作るには80人必要です。
客単価が5,500円なら約73人、6,000円なら約67人です。
25席の店で80人なら、単純計算で3.2回転。
数字だけ見れば不可能ではありませんが、実際には全席が常に満席になるわけではありません。
- 2名席に1名で座る時間帯がある
- 予約の切れ目で空席が出る
- 滞在時間が長いお客様もいる
- 入れ替え時には片付け時間も必要
つまり、「25席だから80人入れればいい」という単純な話ではありません。
売上を5つに分解して考える
僕は売上を見るとき、まず次の5つに分けます。
- 客数
- 客単価
- 席回転
- 予約の入り方
- 人員配置
売上が低いときに「集客が悪い」で終わらせるのではなく、どこが詰まっているのかを分解すると改善策が見つけやすくなります。
1.客数
当然ですが、売上を作るには客数が必要です。
ただし、客数だけを追うと、値下げやクーポンに頼りすぎることがあります。
客数は増えたのに、客単価が下がって利益が残らない。これは飲食店でよく起こります。
2.客単価
今回の店では、日商40万円を超えた日は客単価も5,000円を超えていました。
ここはかなり重要です。
客単価が3,000円なら40万円に必要な客数は約134人ですが、5,000円なら80人です。
小さい店ほど、客数だけで売上を追うより、適正な客単価を作る方が現実的な場合があります。
3.席回転
席数が少ない店は、満席になった瞬間に売上の上限が見えてきます。
そこで重要になるのが席回転です。
ただし、回転を上げるためにお客様を急かすのは逆効果です。
見るべきなのは、
- 料理提供まで時間がかかっていないか
- 会計が滞っていないか
- 片付けと次の案内が遅くないか
- 予約時間が重なりすぎていないか
といったオペレーションです。
4.予約の入り方
予約件数だけではなく、「何時に何名で入っているか」を見る必要があります。
19時に予約が集中すると、その前後に空席が出やすくなります。
反対に、17時台・18時台・19時台と予約が分散すると、同じ25席でも使える時間が増えます。
予約表を見るときは、予約数ではなく、席が何時間使われるかまで見た方が売上につながります。
5.人員配置
売上が取れる日でも、スタッフが足りなければ機会損失が起きます。
逆に、人を入れすぎれば売上は取れても利益が残りません。
大事なのは、忙しい時間に必要な人を配置し、落ち着く時間に人件費を使いすぎないことです。
シフトの考え方については、飲食店のシフト作成をAIで効率化する方法でも詳しく解説しています。
日商40万円を超えた日から見えたこと
この日の売上を見て、僕が一番感じたのは「席数が少ないから売上が作れない」と決めつける必要はないということです。
もちろん立地、業態、客層、営業時間によって条件は変わります。
それでも、
- 客単価を無理に下げない
- 予約時間を見ながら席を使う
- 提供スピードを落とさない
- 忙しい時間に必要な人数を置く
- 満席時の取りこぼしを減らす
この積み重ねで、同じ席数でも売上は変わります。
再現できる部分と、簡単には再現できない部分
実例記事で注意したいのは、「この通りにやれば必ず40万円売れる」と書かないことです。
店舗にはそれぞれ条件があります。
| 再現しやすい部分 | 再現しにくい部分 |
|---|---|
| 客単価の確認 | 立地 |
| 予約時間の分散 | 商圏人口 |
| 提供時間の改善 | 既存の知名度 |
| シフトの最適化 | 周辺競合 |
| 売上の分解 | 店の広さや設備 |
他店の成功事例は、数字をそのまま真似するのではなく、構造を真似する。
これが一番大事だと思っています。
AIを使うなら売上を分解させる
売上データをAIに入れるときも、「売上を上げる方法を教えて」だけでは回答が広すぎます。
僕なら、次のように整理させます。
以下の飲食店の売上データを分析してください。 【入力項目】 ・席数 ・営業時間 ・売上 ・客数 ・客単価 ・予約組数 ・予約人数 ・時間帯別売上 ・人員数 以下の観点で整理してください。 1. 客数 2. 客単価 3. 席回転 4. 予約の入り方 5. 人員配置 不足している数字は推測せず、「確認が必要」としてください。 最後に、改善案を優先順位順に3つ出してください。
AIに仮説を出してもらい、現場で実行できるかどうかは人が判断します。
AIが数字を整理し、人が現場を見て決める。
この使い分けが、売上改善でも使いやすいです。
AIを店長業務にどう使うか全体像を知りたい方は、飲食店のAI活用入門|店長業務を効率化する具体例と始め方も参考にしてください。
まとめ
25席で日商40万円を超えた日を分解すると、重要なのは「席数が少ないか多いか」だけではありません。
- 客数
- 客単価
- 席回転
- 予約
- 人員配置
この5つを分けて見ることで、「何を直せば売上が伸びるのか」が見えやすくなります。
売上が伸びないときほど、いきなり施策を増やすのではなく、まず数字を分解してみてください。
次回予告:次回は「飲食店の原価率改善|値上げ前に見る7項目」をテーマに、値上げをする前に確認したい仕入れ・ポーション・廃棄・ロス・盛り付け・価格設計などを整理します。